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とある暑い夏の午後に、夏好きのDJセニョリーナへの世界初インタビューに成功!
96年からDJ活動をスタートして以来、近年ではROB SMITHやALPHA、BIGGABUSH、RUB-A\DUB MARKET……と、国もジャンルも多彩なアーティストと多彩な場面で共演をしているDJセニョリーナ。マルチ音楽家のG.RINAさんと同一人物では?ともっぱらの噂ですが、はたしてその正体は?
05年8月に2つのDJ MIX作品『DESTINATION ASIA』(NATARAJA SOUNDS / TAPE)、『STRICTLY
ROCKERS 14 MELODY & BASS』(EL QUANGO/ CD)をリリースする彼女に、作品についての質問に答えてもらいました。
■interview &
text by MAKI (DISC SHOP ZERO)

「交差点の真ん中で腰を振っている感じです」
DJ
SENORINAとG.RINA
■新しいテープ(『Destination Asia』)を出すのはDJセニョリーナという名前で、ですね?

DJセニョリーナです。再発も全部セニョリーナに変わります。
■以前はG.RINAという名前で出してますよね。

はい。
■その違いを教えてもらえますか?

G.RINAは、まず曲作りとその歌手=言葉を使っての表現というトータルの表現をしていくプロジェクトで、セニョリーナはDJ中心で、まあ、リミックスも含めて、よりダンス・フロア向きな方向性で、ゆるめにやるプロジェクトです。
■ということは、リミックスもこれから機会があればやっていくつもりなんですか?

ええ。あの、G.RINAさんの「サーカスの娘」リミックスっていうのをいっこやってるんですけれども。※DJセニョリーナの参加作/リミックス作はコチラで!→CLICK
■あ!そうですよね。

今後はもっと、色々とやりたいなと思ってます。
■そうなんですか。

今後はできるだけ、実験的なこととか、G.RINAとは違う、お下劣さとかを出していけたらな、と思っています。
■お下劣さっていうのは……アレですよね、ストリート感っていうか、そういう?

そうですね、いいこと言いますね。
■色んな意味があると思うんですけれども……。

“ストリート感”&“腰くだけ感”。
■それは、昔DJをやっていたとき からあったものなんですか。

おそらくそうだと思います。自分がクラブに行ってフロアで遊ぶときも、好きな音楽っていうのがやっぱりそういうものなので。
あと最近人に言われたんですけれども、私個人のパーソナルなことは知らない人で、G.RINAっていうものと、セニョリーナとしてのDJを、たまたま偶然聴いた人が、私のことを「二重人格なんじゃないか」って言っていた、っていう話を聞いて、そうだなって思いました。
G.RINAのときは、すごいコンシャスなことを歌いたくて、真剣にこう……つまりG.RINAとして伝えたいこと、DJセニョリーナとして伝えたいことは、それぞれ一緒の部分もあるけれど、動機の部分でかなり違うところがあって……、でもどっちも真剣に考えていることなので、この際、別人格なんだと思って切り離した次第です。
■G.RINA名義で出していてもそうだったんですか? それとも後からそうなったんですか?

その時からそうだと思うんですけれども、いい加減混乱してきたので、整理しようと思って。名前を変えたら、もっと景色変わるかなと思ってやってみました。
STRICTLY ROCKERSについて
■『STRICTLY ROCKERS』はレゲエを別の解釈でやるっていうコンセプトのシリーズだと思うんですけれども、作る上でのテーマっていうのは、そういうコンセプト以外にも何かあったんですか。

基本的に、DJセニョリーナらしくっていう以外には、特になくて。その“レゲエでないDJがレゲエを”っていう事のみで。多分、自分が素直にクラブ・プレイをしたい時はどんな感じかなっていうのに、いちばん近いと思います。
■サブ・タイトルは「MELODY & BASS」ということですが、それについて説明をお願いします。

別人格といっても、好きな音楽はやっぱりメロディーが豊かな感じのものが好きだったりするので、そういうものと、ちょっとエグい感じの、メロディーとかじゃない、ベース・ミュージック、遊び心があるものとの両面性でいきたいな、と思って「MELODY
& BASS」にしました。
■私の感想なんですけれども、G.RINAという名前で作曲して歌っているときの雰囲気とはずいぶん違って、男らしいというか、力強い選曲だなと思ったんですが。

共通するとすれば、このシリーズで私がやれるなら、できるだけキャッチーというかポップなものにしたいと思っていました。それでいて遊び心があるものを入れたり、混在させるのが、自分のスタイルだと思っているので。どんなに腰を揺らすとか……ストリート感がテーマでも、ポップじゃないものはあんまり好きじゃないので……。
■あの、G.RINAとDJセニョリーナを分けていても、すごく共通するところを感じたので……。これは推測なんですけど、そうやって分けることで聴き手の幅を広げるというか、そういう意味でも名前をわけたり、CDを出したり、DJをするっていうのの活動の違いがあったりするのは凄くいいことだなと、思ったりするのですが。

ありがとうございます。
■シリーズの中でも比較的新しめの曲が多かったので、面白いなと思いました。ドラムンベースとか。

『STRICTLY ROCKERS』って色んな曲を使ってる方が多いんですけれども、まあ、レゲエとかも使う人が多くて、割合でいえば、結構新しい曲を使ってるんじゃないかと思うんですけれども。
やる前にみなさんの聴かせてもらったんですけれども、それで、あのー、ほんとのレゲエDJじゃないDJを選んでいるっていう意味を考えてみたり、で、もうちょっと他の人がやってない感じにしたいなと思いました。
なんだかんだいってレゲエが聴けるという流れでそのシリーズを買ってる人もいると思いますが、こうだろうと思って聴いてる人に違うものを提出するのが好きなので……。
■プロフィールにもそう書いてありましたよね。

はい。クラブ・イベントに呼ばれてもそうなんですけれども、レゲエのイベントに呼ばれたらジャングルをかけるとか……それだけじゃなくて、ヒップホップもかけるとか、ハウスっぽいイベントに呼ばれたら、ハウスっぽい速さの、レゲエの流れのものをかけたりだとか、そこで期待されているものと違うものにも発見があるような、そういうDJをするのが自分の仕事かなと……思ってやってます。
■自分で遊びに行っても、そういうことをしているDJの方が気になりますか?

遊びに行って聴いた人のDJで、「この人はこのイベントなのにこんなのかけてる」って思ったことがあんまりなくて、だから自分はそうしたいと思ったのと、あと、クラブではなくて私が初期にDJを始めたばっかりの時にいちばん影響を受けたのが、GRAND
MASTER FLASHがWBLSっていうラジオ番組をやっていた時の収録テープをすっごく聴いていたんですよ。
よく行くレコード屋さんに、HOT 97とかWBLSとか、ヒップホップDJのテープが結構多くて、毎週分を一時間ずつとかで置いてあって、私はその中でも、AFRICA
BAMBAATAAとか、、GRAND MASTER FLASHとかを聴いて、中でも、GRAND MASTER FLASHの番組がすっごい好きで、それがもう破茶目茶ミックスだったんで。
■じゃあ、その頃に聴いたものに、影響を?

DJの直接的な影響があるとすれば、それが大きいと思います。
■それで思い出したんですけれども、やっぱりヒップホップからの影響が強いなと思ってたんですが。

DJを始めた頃にいちばん聴いてたものがヒップホップだったというのもあるし、ヒップホップ自体が昔の音楽を再解釈してたりするので、そういうものを混ぜてかけられることとか……。GRAND
MASTER FLASHの番組も、合間合間にディスコとかをかけたりするんですよ。そういうのが、スクラッチをやりながらかけたりしていて、で、全然ヒップホップなんですよ。「BPMが90前後だからヒップホップ」みたいな感じの考え方ではなくて、4つ打ちがヒップホップに聴こえるっていうのが。ヒップホップってそういうもんだと思う。
ヒップホップの音楽の中には、サンプルとしてクラシックがあったり、昔のポップスの歌をコピーしてたりとか、ソウルもあったりとか、ヒップホップしかかけていなくても既に色んな曲のアンビエンスを取り込んでいるので、それをまた解体したら……。そんな感じのDJってかっこいいな、って思ったりしてました。
『DESTINATION ASIA』について
■『Destination Asia』は、ずいぶん準備をしたんですか?

ミックスにですか?
■はい。

今回がいちばん時間がかかりました。ジャンルがいっぱいあって新旧問わず入れてるので、その中でマニアックなものとポップなものをどのくらいの割合にするか、とか、そういうところで悩みました。
いままで、ブラジル・ラテンアメリカ、ジャマイカ昼・夜とやってきて、今回の行き先はアジアなんですけれども、幸い、最近はその“第3世界ビーツ”っていうか、そういうものがアメリカの中ではポップス・フィールドで定着しつつあるという気がするので、バングラとかも一年以上前から沢山素材はあったし、そういう意味では自分が気に入っているものをピックアップしたということです。でも、ただのバングラ・ビーツとか第3世界ものだけにしたくなくて、アジアから派生したと思われるジプシー音楽っていうところまで入れると、視野が広がった気がするんですけれども、それをやってこそDESTINATIONという気がして、敢えてやってみました。(ジプシー音楽は)ヨーロッパなんですけど、そういう細かいことではなくて、音楽の中から感じるルーツというか、そういうところから派生しました。
元々ジプシー音楽を聴いてアジアの息吹を感じずにいられなくて、そもそもジプシーという言葉はエジプシャンから発しているとも言われています、聴いて感じることができると思いますが、中央アジアの流れをくんで進化していった音楽だと思うんですね。それを学問的でなくても、こういうミックスの中で再発見してもらえたらいいなっと。パーカッション・ビートのパターンとか、こぶしとか、つまり雰囲気でね。
■前々からそういう感じのもの……例えばアジアとか、東ヨーロッパとか、伝統音楽を取り入れた形の音楽っていうのは興味があったんですか。

インドっぽい音楽については、DJを始めた頃からそういうものを注意して買っていたので、特にインドっぽいものは好きです。
■そうですね。インドっぽいものは割合多かったですね。

それだけで全編やりたいくらいだったんですけれども。でも、まあもうちょっとバラエティに富んでいる方が……インドっぽくなっちゃうと、嫌いな人にとってはちょっと暑苦しいかなっていう気がしたんで。全編シタールとか入っていると飽きちゃうと思うんで、そこはまあスパイス的になればなーと。
■そういう視野の広がり方とか、色々な要素が多い感じは凄く、リナさんぽくて。でもそれを結構強めのビートでセニョリーナさん風にまとめたという感じですか?

そうです。なんか……丁寧なミックスとか、これは理論的にはアジアではないのではないか、とか、そのインド〜インドの間に中国っぽいものが入ってるとか、そういうことが中にはすっごい繊細に神経質に気になる方とかいると思うんですよ。でも、私の場合は、敢えてそういうものをシャッフルして、どっちかっていうと荒っぽいミックスをした方が、聴いている人に対して、自分の解釈を押しつけずにいられるような気がして、もしかしてこういうのとこういうのって全然違う音楽だって思ってたけど、「なんか曲続いてる」と思ったとか、そんなんでもいいんですけど、シャッフルしてて発見できることって何かあると思う。
例えば、今回けっこうポップな曲も、ビルボード的な曲も入れたと思うんですけど、そういうものと、伝統的な音楽とのリンクみたいなものを発見してもらったら面白いかなと思って。だけど、そういうのが元ネタを次にかけてとか、そういうことじゃなくて、もうゴッタ煮にして、聴いた人が自分でそのパズルをまた自分なりに置き換えるみたいな感じにしたくて。
例えば、ブレンドみたいなことをしたり、倍速に途中でなったりするっていう、そういう強引なミックスが結構荒っぽくて、それが多分男っぽいって言われる部分もあると思うんですけれども、そういうところを凄いきちんとミックスしようとしたら、私の意図から遠のく気がするので、そういう意味で荒っぽくなってるんだと思います。
■聴いていて楽しかったです、インタールードというか、声も入れたりだとか。

そういうのも、ラジオの影響だと思います。
■そう言われると……そうだったんですか!

自分がいっぱい聴いてきたラジオのテープとかにガンガン、ジングルとかCMとか入ってくるんですけど、サイドMCがいたりする場合もあって、さすがにそこまで凝ってもどうかなと思ったんで、そこまではやってないんですけど、その合の手みたいなものが昔よりどんどん増えてますかね……ミックスするとき。
■すごくいつもそれが好きなんですが。

ありがとうございます。
■何でこれの次にこれ、っていう所でも、それが入ると……。

ああ、そうなんですよ、私も、そういうの聴いててそう思ったんで、自分の中にも取り入れたかったんです、そういう感じ。
■ラジオがお手本っていうのは納得です。そのタイミングとかも上手いなと思ったんですけれども。

なんか、まあピュンピュン・マシンとかもそうじゃないですか。
■今回は一発録りですか?

『STRICTLY ROCKERS』の方は一発録りです。
■すごい!

けっこうドキドキしながらやりました。
■『Destination』の方が一発録りなのかなーと思ったんですが。

テープは、間あいだがバラバラになってて、あと、ブレンドしてるやつはあとから足してるのもあります。あとCDがあったりするので、そういうのを間に挟んで30分ミックスして、30分ミックスして、間にCDがどうしても入れたくて、とか、そういうのはあとから付け足して。
■それってパソコン上でまとめたんですか?

そうですね、初期の3本までは全部一発録りで、普通にターンテーブルとカオスパッドとかでやってたんですけど、最近はパソコンに入れてやってます。
■ソフトとかは?

pro toolsに入れて、エフェクトだけ後からかけたりとか。あと、ジングルみたいな、ピュンピュン的なものとかはあとから足したりして。
■何回も録りなおしとかするんですか?

『STRICTLY ROCKERS』は、選曲のトライアル含めて3回目くらいですね、録ったのは。でも比較的ブレンドとかそういうことしてないんで、テープよりも楽です。普通のDJと一緒なんで、間違えなければ、という感じで。
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