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■interview &
text by E-JIMA (DISC SHOP ZERO)
■まず、今回の一連のインタビューで多かった質問は何でしたか?

P(PETER D):1番はアルバムのコンセプトについてで、2番目はブリストルはどんな所かって質問。
■これまでは『SELECTION 1』『SELECTION
2』というアルバム・タイトルでしたが、今回はサブ・タイトルに『TRIED & TASTED』と付けた理由は?

R(ROB SMITH):はじめは『SELECTION 3』と付けるつもりはなかったんだ。でも、実際セレクションであることに違いはないし、他の2枚との繋がりもあるので、シリーズという形をとったんだ。『TRIED
& TASTED』と付けたのは、収録された曲はどれも実際にツアーで世界中を回ったときに、かなり試したことから来ているんだ。
■そうやって試している間にも修正されていったりするんですか?

P:いいや、それはないよ。僕は一度完成させたものを後戻りするようなことはしない主義なんだ。もし試しにかけてみて、その反応がよくなければそれまで。そのトラックを再度どうにかしようということはないよ。

R:「CRACKERS」だけは例外だね。この曲は、もともとヴォーカルがサンプリングだったからRUDY(LEE)の声で録り直したんだ。※ネタはGLEN
WASHINGTON「ROCKERS NO CRACKERS」でCD『DON LETTS PRESENTS THE MIGHTY TROJAN SOUND』にも収録

P:でも、どうしても録り直さなければいけないってわけでもなかったんだ。
■アルバムに入った曲の選曲の基準はなんだったんですか?

R:クラブのオーディエンスの反応だね。僕らは曲が完成するとダブ・プレートにカットしてDJでかけるんだけど、中にはあんまり反応がよくなくて2、3回プレイしただけのものもある。けど、アルバムに入っているトラックは、どれも反応がよかったもので、常にかけているよ。
■今回は曲どうしがミックスされていませんが、それはどうして?

R:1作目のときは、ふたりのDJプロジェクトとして実験的な試みで始めた。当時は今ほどDJとしての経験がなくて、面白さを広げるという意味で、お互いのダブ・プレートの曲をブレンドさせることで、新たに何か面白いものが生まれるだろうという思いから、そうしたんだ。今回のアルバムでは、それぞれの曲の完成度が高いので、1曲ずつ見せたいと思ったんだ。
■アルバムのセレクションは、ある時期に一気に決めたのか、それとも曲が完成した段階でアルバムに入れようと決めていたんですか?

R:いや、すべて後からだよ。
■今回のアルバムが出るまでに6年かかっていますが、それは必要な時間だったのでしょうか?

R:いや、必要だったわけじゃないよ。

P:その間にもSMITH & MIGHTYとしての活動もしているし、沢山のツアーもこなしているし、曲づくりもやっているわけで、特に時間を気にしてはいないよ。

R:もう7年前のことだったかな?っていう感じだよ。

P:そんなに時間が経っているようにも感じていないんだ。それは特に問題ではないよ。典型的なブリストル感覚じゃないかな。
■前のアルバムに比べて全体的に音がきれいになっているように感じます。

P:前作に比べて、確かにピアノやストリングスの曲が増えたと思う。それに普段の生活で経験したことや、自分の好きなものを音楽的に取り入れて曲に反映させているから、その辺の成長はあると思う。ストリングスは好きなんだ。前作に入れられなかったのは、もうすでに十分な曲があったから。
■以前からストリングスは好きだったんですか?

P:そう!以前からすごく好きだよ。
■SMITH & MIGHTYとしての活動やその他のプロジェクト、普段聴く音楽などから影響を受けたものって何かありますか?

R:世界中をツアーで回って、イギリス以外の音楽を耳にするのは僕らにとって良いことだと思う。特に意識して何かを取り入れようということはしないけれど、自然に起こっていることはあるかもしれない。例えば、クラブで感じた音やヴァイブをスタジオでうまく変換させるとか。
■今回、「SAME」、「RESCUE
ME」、SYSTEM VERTIGOの曲を入れたのはどうしてですか?

R:もともとダブ・プレートでプレイしていたもので、やはりそれがいい曲だったから。それらがすでに発表されたものであっても、それは関係ない。また違った解釈のものだからね。とりわけ、「SAME」の曲は、TAMMY(PAYNE)のヴォーカルを僕らはとても気に入っていたから、自然なことだよ。それに、オリジナルはゆっくりとしたテンポの曲だったから、新しいヴァージョンでやるのも楽しかった。

P:たとえそれがSYSTEM VERTIGOの曲であっても、MORE ROCKERSリミックスはMORE
ROCKERSのサウンドになっているし、アルバムに入れるに値するくらい良い曲に仕上がったからね。オリジナルを聴いたのは何年も前のこと。オリジナルもすばらしいよ。
■オリジナルの作品を作るときと、リミックスを作る時とは似たような考え方でやっているんですか?
それとも全く違った考えでつくって作っているのでしょうか?

R:同じようなアプローチの時もあれば、違うこともあるよ。リミックスの場合は、ボーカルだけを渡されて、トラックを作る場合にはそのボーカルに合わせるように作り始めていくわけだけど、オリジナル・トラックの場合はどこから手を付けてもいいわけで、より自由に組み立てられる。
■「SAME」や「RESCUE ME」のように、もともとはゆったりとしたトラックがあって、それがたまたまドラムンベースになったというようなパターンの曲が多くて、それは今回曲やメロディーがしっかりしているからというような印象を受けました。そういったことは意識していますか?

R:通常のドラムンベースの場合、そのBPMは174とかだけど、そのハーフ・テンポで歌を歌ってもらうとメロディーが上手く聴かせられるんだ。その方がドラムンベースのビートに合わせて歌うよりもいい。だから制作するときにはヴォーカリストたちにハーフ・テンポで歌ってもらうようにしているんだ。それをドラムンベースのリズムと合わせたときにそのメロディーがいい具合に作用していると思っている。
■ヴォーカルのある曲はあらかじめメロディーがあってトラックを作ったんですか? それともトラックの後にメロディーを付けたのでしょうか?

P:特に決まったやり方というのはないんだ。曲によってだね。例えばNIJI 40の場合はトラックが半分くらい出来上がったところでNIJIに聴いてもらって、僕が残りの作業をしている間に、隣に座って彼に歌詞を書いてもらって、相談しながら煮詰めていく感じで、ひと通り決まった段階でボーカルを録る。それからL.D.を呼んでバック・コーラスを録ってという流れだった。あと、1曲目のCAIRAの曲は……。

R:彼女とは日本で知り合ったんだよね?

P:そうそう、彼女とは東京で知り合ったんだよ。リキッド・ルームでやったときに来ていた子で、日本に住んでいるアメリカ人。リキッド・ルームのバーで僕らに歌を聴かせてくれたんだ。

R:「私シンガーなんだけど、聴いて」って(笑)。

P:それで彼女がイギリスに来てヴォーカルを録ることになったんだ。で、この曲は彼女が既に作ってきてたんだ。はじめはダウンテンポな感じで録音したんだけど、僕的にはちょっとつまんないな〜と思って。彼女の曲が悪かったわけではないよ。それでまったく違うトラックを作り直したんだ。サンプリングなんかも少し入れたりしてね。その方が楽しかったし。彼女とは、なんだかんだで4曲くらい録ったかな。13曲目のキーボードは、ブリストルに住むクリスチャンの男なんだけど、音楽一家でみんな才能がすごいんだ。12歳の息子が弾くキーボードなんて見たこともないくらいすばらしいんだ。
■常に新しい才能を探しているんですね。

P:聴くチャンスさえあればね。

R:そういう意味では、僕らがブリストルに住んでいるということはラッキーだったよ。才能のある人がたくさんいるからね。
■今回のアルバムでシングル・カットするとしたらどの曲ですか?

R:今回の公演中にも何人かからアナログは出さないのか?と質問されたよ。

P:「BOOW」はシングルにいいと思うな。

R:CAIRAの曲もいいんじゃない?
■ROBはソロを出しているけどPETERは?

P:もちろん興味はあるけれど、今はコンピュータのシステムを入れ替えたところで、曲を作れる状況じゃないんだ。ツアーやらなにやらで、集中してできることがなかったんだけど、今は新しいソフトで作ることにワクワクしてるよ。1年近く音楽を作れていなかったんだけど、今思えばリフレッシュできてよかったと思っているよ。
■ブリストルに帰ったらまず何をやりたいですか?

P:コンピュータに向かうよ(笑)マジで! みんな僕の後ろで待ちぼうけてるからね。先週もRAY(MIGHTY)が毎日のように「PETER、まだできないのか?」って言ってきたからね(笑)。
■ソフトウェアは何を使っているの?

P:今はロジックに乗り換えているところ。聞いた話によれば、使いこなせるようになるのに5年はかかるって話だけど。今まではキューベースだったんだけど、もっと機能のあるロジックにしたんだ。

R:僕はウィンドウズでキューベースを使っているよ。
■ROBのDJミックスはどうやって作っているの?

R:コンピュータで作ってるよ。
■そっちの方がラクですか?

R:家では常にターンテーブルをセットしていないのと、いつもレコードを買ったら真っ先にコンピューターに取り込むようにしているんだ。レコードが傷付いてもいいように。だから全部データ化してあるのでミックスしやすいというのはあるよ。全部CDにバックアップしてるんだ。
■へえ〜。古いレコードや音源もですか?

R:すべてとってあるよ。カセットでしかないものもね。好きじゃない曲は外してだけどね。
■ファイナルスクラッチっていうソフトは知っていますか? ああいいうのはどう思う?

P:アイデアは素晴らしいと思うね。使ったことはないけどコンセプトは画期的だよ。ダブ・プレートをプレスしなくてもヴァイナル感覚でプレイできるというのはDJにとってはありがたいことだよ。ただ、それが信用できるものかどうかというレポートを見てからでないとなんともいえないけれど。でもそれについての記事をお店で見てすぐさまROBに電話した位、すごい!と思ったね。
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