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05年秋にSKYLARKINから届けられDISC SHOP ZERO界隈をも興奮の渦に巻き込んだ1枚のMIX CD『LIVE
AT SALOON』。実はZEROには何年間も通ってくれているDJ、風祭堅太によるもの。「これはちょっと放っておけない!」と思い立ち、突撃インタビューを敢行しました。
新宿・カタリスト→青山・MIXで、クボタタケシのアシスタントという、ある意味“特殊”な境遇で活躍をしてきた彼による、DJ=音楽への愛とこだわりをとくとご覧あれ!
■interview &
text by MAKI (DISC SHOP ZERO)

「“ソレ”を模索し続けてましたね。『何なのかな?』って」
DJスタートのきっかけ
■まずDJを始めた頃の事を少し聞きたいのですが、初めからカタリスト(※新宿にあった青山MIXの系列店)だったのですか?

いいえ、その前は大学生のパーティーみたいなので、やってました。DJっていうよりは普通に流行りの曲をピッチ合わせて繋ぐ、みたいな。
■カタリストは当時どんな感じの所だったんでしょうか。

僕は完全に遊びに行っていて……。働いていた所が新宿だったので、ロケーションも良かったし、あとお酒がすごい安くて。初めは完全に呑みに行く感じで。でも周りにいる人達はDJやっている人が多かったですね。
■大学生で?

多分そうですね。それで僕は久保田(タケシ)さんとか川辺(ヒロシ)さんのかけるような音楽が好きで。
■どういう音楽だったんですか?

当時からレゲエ、ニューウェイヴ、ヒップホップ、ラテン……と凄まじい数のジャンルの音楽がかかってました。その時はカリプソもまだ流行ってない頃で。SOUL
BROTHERSが気になっていて、でも「ソウルなのかな?」って思ったり(笑)何なのか解ってないんですよ。でもそういう感じが凄く好きだなと思って、それを模索し続けてましたね。「何なのかな?」って。
■それでは、大学生の仲間内でのパーティーをやりつつ、カタリストに遊びに行っていたと。

そうですね。でもカタリスト行って、そういう解らなかった音楽を探し始めてからは、そっちのウケが良くなくなってきたので、あんまりやらなくなって(笑)。ZEROのG.N.T.さんにも、何回か誘ってもらって一緒にやった覚えがあるんですけれども。
■エッ。そうなんですか。

地元で共通の知り合いがいて、その中にネオアコとかマンチェスターをかける人がいて、その人と仲が良い人にもらったテープに、THEY
MIGHT BE GIANTSとかAZTEC CAMERAとかが入っていて、それが結構好きで。AZTEC CAMERAとかは知っていたんですけれども、そうしたら久保田さんがカタリストでAZTEC
CAMERAをかけていて。それで「アッ」と思うこともあったりして。
■ではさっき言っていたカリプソなどの全く知らなかった音楽の中に、知っているものが混じっていて、ビックリしたという次第ですか?

はい。
■それは……、気になりますよね。

気になりますねー。
■知らない曲ばっかりだったら、流してしまうというか、「この人は凄いDJなんだ」で終わるかもしれなかったですよね。

そうなんですよね。一番初めて行ったクラブっていうのは、実は高校生の時に行ったBLUEなんですけれど、その時は全く知らない曲ばかりかかっていて、1曲だけJAMIROQUAIがかかって「アッ」って思ったんですけれども、もうその時は知らない波に飲まれ過ぎてて……。
そういう雰囲気よりは、(カタリストのDJは)どちらかというと迎え入れてくれる感じの知らない曲だったので、「あ、これはイイナァ」と思って。
■じゃあ、そこで、「そういうDJやってみたい!」となったワケですね。

そうですね。でも、初めはもう真似というか、「あの曲が欲しい!」って探しまくって。
■大変そうですね。何処で売ってるのかも……。

色々知識もなかったので……。間違えて、似たスペルのやつ買っちゃったりだとか(笑)。あとラテンでも洗練されたラテン・ジャズみたいなものと、ザックリとしたいわゆるカリブのりのものがあって。どちらかと言うとカリブっぽいものが欲しかったりするんですけれども、解らなくてアフリカのハイ・ライフみたいなものを買っちゃったりだとか。でもそれがまた良かったりもして、勉強させてもらったかな。
MIX CD『LIVE AT SALOON』について
■今回のMIX CDも結構ラテンっぽいなぁと思いました。

根本がそういうもので……。
■ではもともと、レコードを探し始めた頃から、そういうコーナーを掘っていたんですね。

掘っていたというほどじゃないんですが(笑)、必ずチェックしてました。レコード屋さんに行って「こういうの」って言うと、いっぱい出てくるじゃないですか。「ラテンで陽気なラッパが入ってて」とか「パーカッションが打ち乱れてて」とか。その中でも1枚あるかないか、という自分にひっかかるものを買ってました。今は、その頃よりも欲しいものが明確に見えてきたという所はあります。
■この辺のラテン・アメリカの音楽って、確かにアフリカもスペインも入っているし。

そういう混ぜこぜなのが好きですね。あんまり“モロ”っていうのは苦手なんですよ。かっこいいジャズの感じも入っていて、でもラテンっていう……色々な国をパクってる?というか。だからCD(に使った曲)もそういうものが多いかな。
■はい。そこがとても面白かったで す。私もラテン音楽には詳しくないのに、あの辺の混ざり方はすごく気になっていて。

僕も詳しくないんですよ。例えばちゃんとヒップホップをやってて大好きで聴いていて、その上でラテンを聴いたり、ジャズを聴いたりとか……そういう人は結構いるじゃないですか。レゲエに詳しくて…とか。そうじゃなくて、詳しいものがひとつもない感じでクボタさんのDJから入ったから、レゲエでもラテンでもヒップホップでもなく……。
■クボタさんは、ひとつのジャンルばっかりっていう時間帯はないですよね。

クボタさんはヒップホップをすごい持っていて、「そこは、誰にも負けない」というジャンルを持っていて、それが(自分になく)大丈夫かなと……支柱がないというか。でも好きなものは最近解ってき
たんですよ。
■(風祭さんは)「気になる!」というものがあると、そこを極める人なのでは、と勝手に思っていたんですけれども。

期間は短いんですけれども(笑)、その時の集中力は結構あります。でも飽きも早いのかな(笑)。
■でも、それが残っていっている感じですよね。例えば「俺はヒップホップ」と決めてずっと続けてきた人よりは、引き出しが多いのではないかと思うんですけれども。その開け方が、お客さんとか、時間帯によって違ってくるんだと思うんですけれども、CDを聴いてその点が上手いなーと思いました。

一応、生音も入れたりとか。でもせっかくなので、好きなものを入れたいなー、みたいな感じで好きなものを持っていったら、ジャンルもBPMも結構違っていたんですけれども、うまい事まとまって……。
■そういえばあれは一発録りなんですか?

あれは2回録ったんですよ。A型なので(笑)、1回全部聴いて、ちょっとでも気になるところがあると直したくなっちゃうんですけど、山下さん(SKYLARKIN主宰)とかは「全然気にならないから」と言ってくれて。
■そうですね。それでやり直しても……。

そうすると曲を変えたりし始めて、変な意味で深化していってしまうといけないから、丁度よかったかな。
■そうやって客観的に見てくれる人がいるといいですよね。

ですよね。独りだったら多分……。
■延々と……。

大変な事になるかも(笑)。
■録ろうっていう事自体は、山下さんが言い出したんですか?

そうですね。山下さんが言ってくれました。でも何年前から出そうって話はいただいていたんですけれども、SALOONが始まってから毎週オープン(時間)からいてくれているので、僕のDJをまるまる聴いてくれて。だんだんこう……離れていかなくちゃ、じゃないですけど、クボタさんの事は尊敬していて色が凄い好きなので、そこを継承しつつも違うものを……。
■オリジナルな感じで?

意識しているワケではないんですけれども、久保田さんのかけるものではなくて……っていうのが積み重なって、(青山MIXの)早い時間は自由にやらせてもらっていたので。それを山下さんに聴いていただいて。それが思ったよりも、クボタさんぽくなくて面白かったらしくて、こんな感じで録ろうよって。あんまり派手ではないんですけれども。
■でもそこがいいと思います。昔よりもCDを焼いたりっていうのが簡単になって、MIX
CDを出す方が増えているんですけれども、やっぱり盛り上げがちですよね。

DJの方はやっぱりそうですよね。
■でも家で聴くために買った人は……例えば本とか読みながらっていう時は合わない感じで、そういうMIX
CDがあってもいいと思いました。踊らせる、とかクラブでDJやる、とかそういう前提で作ってしまうと……。ラジオのDJもまた違う感じなのだと思いますが、その中間を行くような?それが既に風祭さんの独特なところではないですか?

MIXの早番も何だかんだ言って、5年とか……やったので。
■うらやましい!

いや〜、遅刻したら怒られるんで(笑)10分前には必ず行って。10時には完全に音出せって言われているんで。10時から12時半くらいに皆さんいらっしゃって。で1時前くらいまで。でもあの人達が来る1時間くらいの間はアピールしたいじゃないですか。
■来てから、終わるまでですか?

来てから、交替するまでですね。アピールのところまでそれはちょっと取っとかなきゃいけないな、とか、バランスを考えながら。今はいい時間にもやらせてもらったりするんですけれども、長い時間帯で構築するっていうのがクセになっているので。
■なかなか独りで長い時間っていうのは出来ないですよね。

今でも上手くいっているのかは解らないですけれども、何時間っていうのに合わせて作っていってるので、曲もそこに入るコマの曲っていうのが……。
■節目のものですか?

1曲1曲的には派手ではないんだけれども、流れを作るのに重要なものがあるじゃないですか。CDも何ヶ所かあるんですよ、MIXで早番をやっていた時からやっていた2〜3曲の繋がりみたいなものが。誰もいないけれど自分では好きだったりして。そういう曲が積み重なって、1時間ができて、2時間になって…。そういう流れを作るための曲を買いはじめるようになってから、よくZEROさんとか行かせていただいて。
■ありがとうございます。

あんまり、こうスーパー・キラー・チューン!っていうのではないけれども、ビートは鳴ってて……みたいな。そういうのを買い始めてから、色々な意味で面白くなってきたっていうのがあります。そこで自分の、ラテンというか、無国籍な感じを作っていきました。
■そうですね。ZEROは変わった感じのものが多かったかもしれません。けれど来てくれるお客さんやDJの方にも影響を受けて品揃えをしてきたので……、持ちつ持たれつ、というか。ありがとうございます。

あの、SPORTO KANTESとかは確か、江古田(ZEROが下北沢移転前にあった場所)の時に買って。その時は雰囲気はいいなと思ったんですけれども、そこまでピンとこなくて。意外とMIXで早い時間帯をやっている時に使い勝手が良かったりして。「あー、いいなー」と。結構(色々な要素が)混ざっていて、レゲエっぽい曲もあったりとか。
■そうですね。

ZEROで買ったやつが、多いって言えば多いんですよね(笑)。
■ありがとうございます。ずっと通っていただいて、集めてもらった感じで……。試聴して買うんですか?最初はできなかったんですけれども……(昔のZEROには試聴機はありませんでした)。

そうですねー、情報があれば試聴しなくても買ったりします。でも、試聴しないで買うのが好きといえば好きです。ジャケットと曲名のフィーリングとかで……。中古盤はそれが結構多かったりとか。
■帰るまで楽しみに?

そうですね。失敗だったりもしますけど(笑)。今はインターネットで試聴できたりするので……。でも本当はお店で試聴した方がいいですよね。試聴のファイル短いから……。
■そうですね。時間がないのかなーと思っていて、最近は(気になるものを)決めて来てくれているのかなと思って……。

そうですね。最近は主に月に2〜3回DJする前に新譜をチェックしに行く事が多いので、時間の都合もあって決めていくことが多いです。それで、できるだけ毎回レコ−ドバッグの中身を、その新譜を交えて半分くらい変えるように心がけてます。
今後の予定
■これからもMIX CDを続けて出したりっていう予定はあるんですか?

はい、年末くらいにはという話があるので。
■あ、そうなんですか!

そのために自分も作るモードでやっていこうと思っています。
■楽しみです。

あとは曲作りも頑張ってみようかなと。
■リミックスもやられるんですか?

CDを出してから、何となく話はあるので、(具体的な)機会があったらやりたいなと思います。
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